文化・芸術

May 11, 2010

District 9

観てきました、「第9地区」。
第82回アカデミー賞には、作品賞も含めた4部門にノミネートされた異色作です。
評価はいろいろあるけれど、私としてはすごーく面白かった。

舞台は、南アメリカのヨハネスブルグ。
28年前に訪れた宇宙船には大勢のエイリアンがいて、彼らは難民としてヨハネスブルクに住み着いてしまいました。
地球人よりずっと優れたテクノロジーを持っているはずなのに、エイリアンたちの情けない姿といったら・・。
ええ~っ!!という設定の中、ストーリーは意外な方向へ進みます。
MNUのへなちょこ職員ヴィカスを演じるシャルト・コプリー、どこまでも追い続けるクーバス大佐のデヴィッド・ジェームズ、そしてそしてクリストファー・ジョンソンのジェイソン・コープ、皆さん素晴らしかったです。

日曜日に観たのですが、ほぼ満席でした。
万人向けではないけれど、「ほほう、面白そうだ」と思われたなら必見です。

ちなみに、小学生が観るときには保護者の助言・指導が必要な PG12 指定の映画です。

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May 01, 2010

地球交響曲第七番

明治神宮内で開催された「地球交響曲第七番」完成披露有料試写会へ行きました。

昨年夏に撮影を終えた90時間に及ぶ映像から、そのエッセンスともいうべき2時間6分の作品が完成。
本日は、出演者であるアンドルー・ワイル博士高野孝子さん龍村仁監督のトークショーもセットされた、贅沢な試写会なのでした。

ワクワクしながら鑑賞した「第七番」は、美しい自然とシャーマニズムに溢れた素晴らしい出来上がりでした。
伊勢神宮や天河神社や弥山の厳かな静謐さは、私たちに謙虚さと畏れを思い出させる。
自転車と一体になって楽しげな、ツール・ド・フランスの英雄グレッグ・レモン氏、吹き抜ける風や渦巻く水流が一体となって、私たちは繋がっている、というメッセージが浮かび上がってきます。

ワイル博士の不思議なラビリンス、いつか歩いてみたいなあ。
伊勢神宮に天河神社にアリゾナのツーソン、ぜひ訪れたいと思っている場所がピックアップされていて、密かにシンクロを感じていました。

7月から、日本各地で上映されます。
日程はこちらへ。
地球交響曲は、自主上映で支えられている映画です。
ぜひ、ご家族やお友だちとご一緒にお出かけ下さいね。

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March 19, 2010

マクベス

シェイクスピアを原作にした舞台、「マクベス」を世田谷パブリックシアターで観劇しました。
同シアターの芸術監督でもある、野村萬斎の演出・主演です。
物語のあらすじは、だいたい誰でも知っている、という感じでしょうか。

上演時間は、休憩なしの1時間30分。
演じる俳優さんはたったの5人、スピーディーな(というかあっという間の)展開が続き、ぼんやりしていると場面について行けません。
「今」という瞬間を切り出したような演出は、観ている方も真剣勝負でした。

秋山奈津子さんのディープな感じも素敵だけど、萬斎はかっこいいですな。

世田谷パブリックシアター公式サイトはこちらへ。

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March 15, 2010

The Hurt Locker

キャスリン・ビグロー監督の「The Hurt Locker」を鑑賞してきました。
イラクで任務に就く、米軍の爆発物処理班のお話です。
彼らは死と隣り合わせ、というか爆発物を探し求める仕事なので、いつも死を目指しているような感じ。
ジェレミー・レナー演じる主人公のジェームズは、死と直面しているとき強烈な「生きている実感」があるのですね。
それって「中毒」としか言いようがないけれど、実は共感してしまいました。
私の場合は、ハードな状況にいると充実感がある、という程度なのですが。
戦闘シーン以外の、景色や人々の視線や空気が緊張感に満ちていて、ずっと気が抜けません。
淡々とした視点ということもあり、テーマは観た人それぞれが探してみてね、という感じもしました。

アカデミー賞受賞後1週間というタイミングだったので、当然ながら映画館は超満員でした。
ジェームズ・キャメロンの「アバター」と比べて、上映館が少なくてちょっとビックリ。
配給の時点では、誰もこの展開を予想していなかったのかも。

The Hurt Locker公式サイトはこちらへ。

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December 24, 2009

鼓童12月公演

20日、文京シビックホールで鼓童12月公演を堪能して参りました。
この日は千秋楽、もちろん満席でした。
鼓童が「ワン・アース」をテーマに公演で訪れた国は、何と46ヶ国に及ぶそうです。
今更ながらワールドワイド、太鼓の響きは拍動と同じだし、文化や言葉を超えて人々の心を震わせるのでしょう。

12月には鼓童、という習慣ができてもう5年が過ぎました。
その間に転居や転職をして、アレックスが去ってオリバーが立ち寄って、今はバイロンの時代です。
一年の締めくくりに鼓童と会うと、とても満ち足りると同時に勇気も湧いて来ます。

鼓童は熱いです。
日常を軟弱に生きる中で忘れかけている、自分の中の生命力や情熱、私たちを超える存在への畏れも強烈に意識させてくれます。
そんなエネルギーの集団が、日本で生まれたなんて素晴らしい。

鼓童を未体験の方、まずはCDやDVDあたりから始めてみてね。

鼓童公式サイトはこちらへ。

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November 26, 2009

十二人の怒れる男

シアターコクーンで「十二人の怒れる男」を観劇してきました。
もともとは、レジナルド・ローズ原作のアメリカのテレビドラマ(生放送だったらしい)、その後ヘンリー・フォンダ主演で映画化された法廷ドラマです。
今回は、蜷川幸雄演出で舞台化されました。

登場人物は、第一級謀殺の容疑をかけられた少年を裁く、陪審員12名。
少年が有罪なら死刑、無罪なら釈放、という重い選択を委ねられた市井の住人たち。
証言や証拠は少年の有罪を示唆しているようなのですが・・・・・
タイトルに「怒れる」と入っているだけあり、皆それぞれの立場でイライラが募っていきます。

日本で裁判員制度が始まった今、この作品はいろんな問題を提示しているようですね。
正義とは? 真実とは?人が人を裁くことができるのだろうか?
今度はヘンリー・フォンダの映画を鑑賞しようと思います。

たまたまステージ脇の仮設ベンチシートが取れたので、至近距離から陪審員第八号を演じる中井貴一氏のお尻を眺めることができました。
熱く怒りまくっていた西岡徳馬氏をはじめとして、舞台上の皆さんが創り出す緊迫した濃密な時間。
素晴らしいひとときを楽しんで参りました。

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September 23, 2009

打男

世田谷パブリックシアターで、坂東玉三郎氏演出の「打男」を堪能してきました。
出演しているのは鼓童のメンバー7名(いずれも男性)、力強くのびのびと縦横無尽に太鼓を叩きまくります。

会場は満員、客席に座って開演を待っているとワクワク感が高まってきました。
玉三郎氏は鼓童との縁が深く、2006年には「アマテラス」で共演もしています。
今回は演出のみですが、楽しみ~。

さてっ。
舞台は、竹を連ねた木琴のような楽器(名前がわからなくて)の演奏から始まりました。
メンバーそれぞれの個性や遊び心が感じられ、鼓童全体の公演とは違う雰囲気。
踊り出したくなるような曲や圧倒されてしまう激しい曲が、全体で一つの完成された舞台を創り上げています。
休憩なしで1時間半の公演は、太鼓と共に魂が震えたあっという間のひとときでした。
素晴らしい太鼓の音色はもちろん、メンバーの鍛えられた美しい肉体にも酔いしれて、幸せー。

「打男」は今日が最終日。
聴きに行かれる方は、たくさん楽しんで下さいね。

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August 30, 2009

青山太鼓見聞録

青山劇場で開催された「青山太鼓見聞録」へ行きました。

太鼓は、古来から私たちの身近にあった楽器です。
取りあえずそこにあるものを叩くと楽しい!というシンプルなアプローチながら、太鼓の響きは体の奥深い領域に共鳴し、祖先からの記憶が呼び起こされそうな懐かしさを感じます。
それに、太鼓は祭りや神事と切っても切り離せないもの、誰もが本能的に太鼓の響きに耳を傾けるのも当然かも知れませんね。

さて、青山太鼓見聞録の開催は今年で6回目。
太鼓は最古の楽器ながら、太鼓の演奏自体が主役となり注目されたのは戦後なのですって。
このイベントはさまざまな太鼓を楽しみ、「伝統芸能」として育てていこうという試みなのです。

能書きはともかく。
いやー、とーっても楽しかったです。

出演者は

東京打撃団
八丈太鼓の会
金子竜太郎
淺野香(Gocoo
大江戸助六太鼓
藤本吉利(鼓童)
炎太鼓

の皆さん。
演奏者によって太鼓が見せる表情は違い、その響きに腑抜けになってしまったひとときでした。
中でも痺れたのは、まるでカーリー(インドの女神)のように叩きまくるGocooの淺野香さん。
絶対ライブにも行かなくちゃ。

これから年末にかけて、太鼓を聴く機会が増えるのです。
とても楽しみ。

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August 21, 2009

牡丹燈籠

シアターコクーンで「牡丹燈籠」を観てきました。

真夏の怪談、しかもカランコロンの牡丹灯籠はピッタリの演し物。
初代三遊亭圓朝の創作落語をもとに、杉村春子のために書かれた脚本そのままを使っているそうです。
演出は劇団☆新感線のいのうえひでのり氏、スピーディーで現代的なのにいつの世も変わらない情感が漂う舞台でした。

ところで私の認識していたストーリーは、新三郎さんのところへ、あの世へ行ったはずのお露さんと乳母のお米さんが通い詰める・・・という程度だったのです。
が、新三郎さんは一幕目の終わりでお露さんの待つ彼岸へ渡ってしまい、本当の主役は新三郎さんをお米さんに百両で売り渡した伴蔵夫婦と、お露さんの父親を殺害した女中のお国とその情夫の二組であることが判明。
ストーリーが進むにつれて、因果の糸が絡み合い終局へと向かっていきます。
凝りに凝ったセットも素晴らしく、夢のようなひとときを堪能いたしました。

圓朝役の森本健介氏、どっしりした存在感でとても良かった。
舞台初出演の暎太も初々しく、これからの活躍が楽しみです。

公演は8月31日まで、チケットは当日券があるようです。

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August 03, 2009

兄おとうと

こまつ座の「兄おとうと」を観てきました。
日曜の昼下がり、紀伊國屋サザンシアターは満席です。
いつも思うのだけど、こまつ座の客層はあまり若い人がいない。
井上ひさしの作品からは、社会的なメッセージがガンガン発信されているけれど、それも関係あるのだろうか。

さて「兄おとうと」は、私でさえ名前を知っている大正デモクラシーの花形である吉野作造と、高級官僚となる弟、吉野信次の物語です。
年齢は10歳違いで信条も立場も正反対の二人は、たまーに顔を合わせるとあっというまに口論となってしまいます。
それぞれの夫人(姉妹なのです)が、機会を見つけて取りなそうとするのだけど、頑固で頭の良い兄弟にはなかなか・・・。

そんな感じなのですが、右翼の青年の襲撃やら説教強盗との遭遇やら、ストーリーが進むうちに、生きる上で本質的に大切なことは何か、というテーマが浮かび上がって来ます。
数で表現するなら「」ですね。
毒と笑いと涙の中から、じんわりと心にメッセージがしみ込んできました。

公演は8月16日まで。
ぜひ観にいらして下さいね。

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